研究課題/領域番号 |
15K08021
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
足立 伊左雄 富山大学, 附属病院, 教授 (30151070)
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研究分担者 |
加藤 敦 富山大学, 附属病院, 准教授 (60303236)
名取 良浩 東北医科薬科大学, 薬学部, 助教 (50584455)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ラムノシダーゼ / イミノ糖 / 結核菌 / グリコシダーゼ |
研究実績の概要 |
結核菌の病原性の発現には、脂質に富む細胞壁の構造が重要である。本研究では、近年、L-ラムノースが結核菌細胞壁のリンカー部位の重要成分であり、結核菌増殖にはラムノシダーゼによる細胞壁構造の分断と、ラムノース転移酵素による再構築が必要であるとの知見を受け、L-ラムノシダーゼ阻害活性に対する系統的な構造活性相関を遂行するとともに、デザインした化合物を活用した効果的な治療薬の開発にもつながる基礎研究を実施を目的としている。今年度は強力なα-マンノシダーゼ阻害剤として知られているインドリチジン型イミノ糖swainsonineの鏡像異性体であるL-swainsonineが細菌由来α-L-ラムノシダーゼに対しIC50 = 0.13 micro Mという強力な阻害を示すことに着目し、二環構造が阻害活性により適していると判断し、L-swainsonineの構造異性体の合成と活性評価を行った。標的化合物として、L-swainsonineより短行程での可能があり、合成例がない8-epi-L-swainsonineを選択した。合成した8-epi-L-swainsonineは、細菌由来α-L-ラムノシダーゼに対し選択的な阻害を示したものの、IC50値は87 micro MとL-swainsonineより活性が低下し、C8位のOH基の配向が重要性が示唆された。更に活性向上を目的に8-epi-L-swainsonineを基盤とした構造展開を模索した結果、6-C-methyl-8-epi-L-swainsonineでは、阻害活性が更に低下したものの、6-C-benzyl-8-epi-L-swainsonineでは逆に活性が強くなる傾向が認められた。このことからC6位への芳香環の導入が細菌由来α-L-ラムノシダーゼの阻害活性増強のための新たな戦術になると考えている。
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