低酸素環境を有する固形がん選択的に着床・増殖するビフィズス菌で抗HER2scFvを発現・分泌させる系を構築した。ヒトHER2陽性がんを移植したヌードマウスに抗HER2scFv分泌ビフィズス菌を静注し、同菌の選択的腫瘍内局在と抗腫瘍性を認めた。抗腫瘍性IFN-gなどのサイトカイン発現・分泌系も樹立した。一方、ビフィズス菌の安全性に着目し免疫反応解析を行った。大腸菌などのグラム陰性菌に比べ、B菌作用による樹状細胞やマクロファージからの炎症性サイトカイン産生は1/10で、自然免疫賦活作用は弱いことがわかった。一方、菌の培養上清にサイトカインを誘導する分子を見出し、その作用機序解明を進めている。
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