研究課題/領域番号 |
15K08025
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小澤 孝一郎 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 教授 (10211822)
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研究分担者 |
杉山 政則 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 共同研究講座教授 (30106801)
細井 徹 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 准教授 (40379889)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アルデヒドデヒドロゲナーゼ |
研究実績の概要 |
アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)はアルデヒドを酸化してカルボン酸に代謝する酵素であり、アルコール(アルデヒドおよびアルコール代謝産物のアルデヒド)の代謝に関わることでよく知られている酵素である。私たちは、現在までに、非ステロイド性抗炎症薬として知られているフルルビプロフェンがALDHと結合し、その活性を上げる可能性を示唆するデータを得ている。そこで本研究では、フルルビプロフェンのALDH活性化に及ぼす影響について、詳細な解析を試みた。現在までにALDHタンパク質とフルルビプロフェンをインキュベートし、ALDH活性を調べたところ、その活性が上昇することが示しており、フルルビプロフェンはALDHの活性に対して直接的に作用している可能性を示唆するデータを得ている。そこでフルルビプロフェンの作用についてさらに詳細に調べる目的で、ALDHの活性化薬として知られているalda-1を用い、alda-1とフルルビプロフェンを供刺激した時のALDH活性に及ぼす影響について検討した。検討の結果、alda-1とフルルビプロフェンの供刺激によりALDHの活性のさらなる上昇効果が認められた。従って、フルルビプロフェンによるALDH活性上昇機構はalda-1とは異なる可能性が示唆された。また、予備検討の結果、フルルビプロフェンがALDHタンパク質凝集抑制効果を示す可能性を示唆するデータも得ている。従って、フルルビプロフェンがALDHタンパク質凝集抑制により、ALDH活性上昇効果をもたらしている可能性も考えられ、さらなる詳細な解析が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究によりフルルビプロフェンの薬理作用の実体の一部が明らかにできたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
フルルビプロフェンの薬理作用の解析に加え、ALDHと疾患発症の関わりについても現在一部解析を進めており、来年度もさらに検討する予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画より若干研究費が少なくすんだため、若干研究費が余った。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度でも引き続き、本研究を継続予定であり、昨年度の残予算も来年度に使用する予定である。
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