腸管出血性大腸菌(EHEC)の感染は下痢や出血性大腸炎を誘発するのみならず、溶血性尿毒素症症候群や脳症といった致死性の合併症を引き起こす。これらの症状を誘発する主要病原因子は、EHECの産生する志賀毒素であると考えられており、志賀毒素を中和する薬剤の開発が急がれているが、未だ有効な治療薬は確立していない。 我々は志賀毒素を中和することの出来る薬剤を開発することを目的に研究を行い以下の結果を得た。志賀毒素による細胞死は、プロテアソーム阻害薬(1)や、小胞輸送阻害薬(2)によって抑制することが出来る。(3)志賀毒素受容体の発現が欠落すると志賀毒素による細胞死が誘導されなくなる。
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