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2015 年度 実施状況報告書

分析化学的手法に立脚したヒ素脂質の代謝および毒性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K08058
研究機関国立研究開発法人国立環境研究所

研究代表者

小林 弥生  国立研究開発法人国立環境研究所, 環境健康研究センター, 主任研究員 (00391102)

研究分担者 鈴木 紀行  千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (10376379)
小椋 康光  千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40292677)
研究期間 (年度) 2015-10-21 – 2018-03-31
キーワードヒ素脂質 / 化学形態別分析 / HPLC-ICPMS / 体内動態
研究実績の概要

海産物中には多くのヒ素化合物が含まれており、日本人が食品を通じて摂取するヒ素の主要な曝露元となっている。近年、高分解能質量分析器による分析技術の向上により、ヒ素脂質が次々に報告されているが、それらヒ素脂質の生体内における代謝および毒性に関する報告は非常に少ない。将来的に環境および食品中のヒ素の健康リスク評価に貢献することを目指して、まずは本研究においてその基盤となる研究を遂行することを目的とした。
本年度はカラフトシシャモから検出され、毒性も高いと報告されているヒ素含有炭化水素AsHC360にに焦点を絞り(1)AsHC360の合成(2)AsHC360の測定条件の検討(3)齧歯類を用いたAsHC360の体内動態(予備試験)について実験を遂行した。
得られた結果を以下に示す。(1)AsHC360の合成:既報に従いAsHC360の合成し以下の実験に使用した。(2)AsHC360の測定条件の検討:逆相カラムを用いて、ギ酸酸性化でメタノールのグラジエントによりAsHC360を溶出させた。有機溶媒のグラジエントによるICPMSの感度変化は、ガリウムを内標としてポストカラム法で導入し補正を行った。現在の方法では1試料1時間の測定時間を要する為、さらに条件を検討して溶出時間を短縮する必要がある。(3)齧歯類を用いたAsHC360の体内動態(予備試験):精製食で成育させたマウスに対して、オリーブ油に溶解させたAsHC360を経口投与し、7日間代謝ケージで尿と糞を採取した。その結果、投与後24時間で投与したヒ素の約50~78%が尿と糞中に排泄されていることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本課題は4月の時点では不採択であり、10月末に採択された。1年間の計画を5ヶ月で行う必要があったため、当初の予定より一部はやや遅れているが、ヒ素脂質が合成出来たことから、28年度実験計画を一部前倒しして行っている。

今後の研究の推進方策

27年度に一部28年度分の計画を前倒しして行っているが、27年度では合成ヒ素脂質を用いた測定条件や抽出法のみの検討にとどまり、実試料での検討が行えていないため早急に進める。
また、28年度の実験計画の生体をmimicしたin vitroにおけるヒ素脂質の分解に関しても27年度に条件検討を行っている為、標準試料を用いて予備試験を行い、実試料のbioaccessibility試験へ応用する。

次年度使用額が生じた理由

本課題は10月末に採択されたが、すでにその他の研究業務で使用する消耗品等は別予算で購入済みであり、本課題でも使用可能であった。そのため、研究分担者へ分配したのみで、代表者の予算は次年度に繰り越す事とした。

次年度使用額の使用計画

27年度に検討不十分であった、測定条件検討の為のカラムの購入、測定機器のガス代、メンテナンス費用、試薬等の消耗品の購入。27年度中に成果発表が行えなかったが、28年度には国内外で発表する予定にしているため、その旅費等に使用を計画している。

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公開日: 2017-01-06  

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