研究課題/領域番号 |
15K08059
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
辻川 健治 科学警察研究所, 法科学第三部, 主任研究官 (50356193)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | カチノン誘導体 / 構造活性相関 |
研究実績の概要 |
本年度は、文献調査及びカチノン類の合成、細胞培養等の手技の習得、実験器具・試薬等の準備を行った。 カチノン類の合成については、1)直鎖アルキル鎖の長さ(C3~C8)、2)ベンゼン環上の置換基(無置換、3,4-メチレンジオキシ基、4-メトキシ基、4-フルオロ基、4-メチル基等)、3)アミノ基の置換基(N-メチル、N-エチル、ピロリジン等)がそれぞれ異なる様々なカチノン類を合成した。合成例の一例として、ピロバレロンの合成例を記載する。 4-メチルベンゾニトリルを出発原料とし、これをトルエン中でブチルマグネシウムクロライドと反応させてイミダートを得、硫酸で加水分解することで4-メチルバレロフェノンを得た。次に4-メチルバレロフェノンのジクロロメタン溶液に臭素を添加し、α-ブロモ-4-メチルバレロフェノンを得た。このジエチルエーテル/エタノール溶液にピロリジンを添加し、臭素をピロリジンで置換しピロバレロンを得た。得られた粗生成物について塩酸塩を調製した後、アセトンで洗浄し、さらに2-プロパノール/ジエチルエーテルで再結晶して純度の高いピロバレロン塩酸塩を得た。 実験器具の準備については、当研究所では本実験に適したマイクロプレートリーダーを所有していなかったことから、Tecan社製のマイクロプレートリーダーSpctrafluorPLUSをレンタルすることで対応することとした。 細胞培養の手技を習得するため、アドバンテック社によって開催されている細胞培養実習に参加し、基礎的なトレーニングを受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験に必要な手技の確認や器具の調達に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
はじめに、比較的手技が容易なモノアミン酸化酵素阻害活性の測定を行う。ついで、細胞培養等を含み手技が複雑なモノアミン再取り込み阻害活性の測定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費のうち、マイクロプレートリーダーは購入ではなくレンタルで調達しており、当該年度ごとに費用が発生するため。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、マイクロプレートリーダーのレンタル費用に2年間で1,080,000円要する予定。
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