抗がん剤内封リポソーム製剤の抗腫瘍効果に及ぼす血管新生阻害剤 SU5416(VEGF2型受容体阻害剤)内封エマルション製剤の併用効果を異なるがん細胞(B16, LLC)を用いて作製した固形がんモデルマウスで検討した結果、B16ではSU5416 の投与により、腫瘍内血管の構造的並びに機能的な異常が一部改善したことで、その後に投与するリポソーム製剤による高い抗腫瘍効果に繋がったものと推察された。一方、LLC ではそのような影響は認められなかったことから、LLCのようにVEGFをほとんど分泌しないがん種に対しては、本戦略は有効ではない可能性が示された。
|