薬剤性の肺線維症は極めて重篤な障害であるが、その発症機構には不明な点が多く予防法・治療法も確立されていない。近年、肺胞上皮Ⅱ型細胞の筋線維芽細胞への転換(上皮間葉転換;EMT)が肺線維化の一因として注目されている。 本研究では薬剤誘発性EMTの優れたin vitro評価系としてRLE/ABCA3細胞を樹立し、bleomycinのEMT誘発機構の一部にTGF-β1が関与している可能性を明らかにした。さらに、肺胞上皮細胞においてquercetinはTGF-β1および薬剤誘発性のEMTを抑制し、その抑制効果にはROS産生増加の抑制やTGF-β/smad経路の阻害が関与している可能性が示唆された。
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