研究課題
動物実験で肝癌組織ではトランスポーターOCT1が正常肝に比べ発現は低下している。OCT1の作動薬を投与することにより、肝組織のOCT1の発現は上昇することを確認した。OCT1遺伝子の発現にはメチル化が関係しているため、メチル化を測定している。HEPG2肝癌細胞株を使用してBalb/cマウスに肝癌を作成した。肝癌治療薬であるソラフェニブ単独群とソラフェニブ+OCT1作動薬群で腫瘍の増大に差があるかを検討したところソラフェニブ+OCT1作動薬群で腫瘍の増大が抑制されていた。HuH7でも同様の検討をしているところである。HuH7の増殖が強すぎるため、あまりOCT1+ソラフェニブ群での優位性が見られない。現在この原因を検討するため、細胞内シグナルを解析中である。C57BL/6マウスモデルでも検討中である。将来の臨床応用を考えているため、検体の収集が必要であると考える。一方、トランスポーターの制御因子として、近年胆汁酸内因性リガンドであるfarnesoid X receptor (FXR) が注目されているため、FXRと肝癌治療効果における役割のを解析している。そこでまず、CDAA肝線維化モデルを作成しFXR作動薬およびアンギオテンシン阻害薬を併用し肝線維化抑制実験を行った。FXR作動薬単独群とARB単独群でも各々肝線維化は抑制され、さらに両薬剤併用することでさらに強い肝線維化抑制効果が見られた。両薬剤併用は新たな肝線維化治療のブレイクスルーとなることが期待される。将来の臨床応用を考え、人の肝癌サンプルでFXRの発現解析を行うため、サンプルの収集に努めている。
2: おおむね順調に進展している
約6割がたの仕事は終了している。今後臨床応用を考え、3種類以上での肝癌細胞株での検討が必要
今後臨床応用を考え、3種類以上での肝癌細胞株での検討が必要で検討中、また臨床応用を考え、人の肝癌のサンプルの収集に努めている。
間接経費が予定よりかなり増加。
間接経費の節約
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Hepatol Res
巻: 47 ページ: 1317-1328
doi: 10.1111/hepr.12860
J Gastroenterol.
巻: 51 ページ: 162-72
10.1007/s00535-015-1104-x. Epub 2015 Jul 21.