研究課題/領域番号 |
15K08095
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米澤 淳 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90452341)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 薬学 / 薬理学 / リボフラビン / トランスポータ |
研究実績の概要 |
① RFVTノックアウトマウスの表現系解析 既に樹立したRFVT3ノックアウトマウスの表現系の解析を実施した。へテロKOマウス同士の交配により、誕生する仔の遺伝子型を判定し結果、メンデルの法則に従い誕生することが明らかとなった。出生時のRFVTノックアウトマウスの体重は野生型に比して有意に低値を示し、出生1~2日でほとんどが死亡することが判明した。また、RFVTノックアウトマウス新生児ではとBrown-Vialetto-Van Laere syndrome (BVVLS)で幾つか報告されているアシルカルニチンの上昇が観察された。 ② RFVTノックアウトマウスにおけるリボフラビン動態解析 RFVTノックアウトマウス新生仔の血中および組織中(脳、腎臓、肝臓、心臓、肺)のリボフラビン濃度は野生型に比して著明に低下していた。妊娠16日目のヘテロノックアウトマウスに[3H]リボフラビンを投与したところ、RFVTノックアウトマウス胎児中の放射活性は野生型胎児に比して有意に低値を示した。 以上より、RFVT3は胎盤において胎児へのリボフラビンの移行に関与することが明らかとなり、機能欠損に伴う移行性の低下は新生児のリボフラビン欠乏を来すことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りにおおむね進んでいる。しかし、RFVTノックアウトマウスが出生直後に死亡し、採血量が不足したことから、一部の表現形の試験については翌年度に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、RFVTノックアウトマウスの表現形について、血中代謝物濃度や生化学的検査値等についての解析を進める計画である。また、リボフラビン投与による影響についても検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
RFVT3ノックアウトマウスが予想外に出生直後に死亡したことから、予定していた実験の一部について実施が遅れた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に残りの実験を実施する計画であり、残額を使用予定である。
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