本研究では、経口がん分子標的治療薬であるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の体内動態を変動させる要因として、リファンピシンによる肝代謝酵素の誘導を介した薬物相互作用だけではなく、高度腎機能障害による体液貯留も変動要因となる可能性が明らかとなった。したがって、併用薬や腎障害などの合併症を有する患者においては、TKIの血中薬物濃度モニタリングを行うなど、体内動態の変動に留意する必要がある。また、TKIの手足症候群の副作用発現には外用保湿剤の処方量が重要な因子であることが示されたことから、TKI処方患者に対する薬学的管理の重要性も示唆された。
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