研究課題/領域番号 |
15K08100
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
門脇 大介 崇城大学, 薬学部, 教授 (70433000)
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研究分担者 |
平田 純生 熊本大学, 薬学部附属育薬フロンティアセンター, 教授 (10432999)
成田 勇樹 熊本大学, 薬学部, 助手 (40614665)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腎細胞癌 / アンジオテンシン受容体拮抗薬 / スニチニブ / 抗腫瘍効果 |
研究実績の概要 |
腎細胞癌は日本でも増加傾向にある癌であり,StageⅣの患者の5年生存率は23%と非常に予後が悪い疾患である。この治療の第一選択は手術であるが、転移や再発した場合には、手術に加えインターフェロンなどの免疫療法や分子標的治療が選択される。分子標的治療薬の中でも最もよく使われるスニチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)をはじめとする様々な受容体のチロシンキナーゼを阻害することで、抗腫瘍効果及び血管新生阻害作用を発揮する。一方でスニチニブの使用によって高血圧やタンパク尿などの副作用が高頻度で出現することが明らかとなっているが、現行のガイドラインにおいて明確な対処法は明記されていない。そこで我々はCa拮抗薬、ACE阻害薬、ARBの3種類の降圧薬を用いて腎細胞癌細胞(CAKI-2)における細胞生存率の評価を行ったところ、ARBをスニチニブに併用することで抗腫瘍効果が増強することを見出した。また,PPARγとVEGFA発現量の間に相関が認められたことから腎細胞がんにおいてはPPARγ刺激作用によってVEGFA発現量が上昇することが示唆された。一般的にPPAR刺激作用を持たないといわれているオルメサルタンで低下傾向を示したことに関しては、AⅡ刺激によるPPARγ発現を阻害しているためと考えているが、今後AⅡを用いて検討する必要がある。さらにPPAR刺激作用が抗腫瘍効果にどのように影響をもたらすのか不明であるためPPAR阻害薬などを用いた検討も行う必要がある。
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