本研究では、慢性腎不全患者における降圧治療の個別化療法を展開するための新規バイオマーカーとして、mid-regional pro-adrenomedullin(MR-proADM)の有用性を検討した。まず、腎移植患者を対象に腎移植前および移植後7、14、30、90、180日目の血漿中MR-proADM濃度を酵素免疫測定法を用いて測定した。腎移植後180日時点での降圧薬の治療強度係数を予測する有意な因子となるか検討した結果、腎移植後14日のeGFRが最も強い負の相関を示した。現在、降圧治療抵抗性の慢性腎不全患者を対象とした同様な前向きコホート研究を実施中である。
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