研究課題
基盤研究(C)
皮膚に浸透しやすい油性基剤を用いた経皮ワクチンの開発を試みた。抗原タンパクは親水性で油に配合することは難しい。軽質流動パラフィンを用いたレシチン逆紐状ミセルに極性物質として配合する少量の水にグリセリンを添加し,そこに抗原タンパクOVAを加えることにより安定性に優れた製剤が調製できた。本製剤は皮膚の微小な間隙に入り込みやすいレオロジー特性を持ち,蛍光標識OVAの皮膚移行が改善された。ヘアレスマウスに適用したところ,皮下注射では著しい抗体価の上昇が見られたが,皮膚適用では閉塞投与で有意な抗体価の上昇が見られたが,効果は小さかった。今後さらに皮膚移行を高める方法との併用を検討する必要がある。
薬剤学