臨床において、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による消化管障害は重篤な問題である。我々は、このNSAIDs起因性消化管障害の制御を目指し、湿式ビーズミル法を用い、メロキシカム(MLX)ナノ結晶経口製剤を作製した(粒子径48±138 nm, 平均値±標準偏差)。本製剤は、従来の製剤と比較し、4.3倍バイオアベイラビリティが高まり、薬物投与量の減量を可能とした。さらに、これら製剤化に伴うNSAIDs投与量の減少が、薬剤の消化管粘膜直接刺激の低下を介し、障害誘発を軽減することを示した。本成果が安全なNSAIDs療法の確立に繋がることを期待する。
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