研究課題/領域番号 |
15K08121
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
飯原 なおみ 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (40412390)
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研究分担者 |
吉田 知司 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (80220656)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 多剤併用 / ポリファーマシー / 高齢者 / 転倒 / 骨折 / 副作用 / レセプトデータ / 薬剤疫学 |
研究実績の概要 |
高齢者では多くの疾病に罹患することから様々な種類の薬が併用される。ふらつきを及ぼす薬が何成分も併用される場合があり、そのような場合には眠気やふらつきが強く生じている可能性がある。本研究では、ふらつきを及ぼす薬の併用による健康被害への影響を、転倒に関係した骨折発生を指標として評価する。 27年度は、転倒に関係した骨折発症への影響を、運転禁止薬どうしの併用と運転注意薬どうしの併用とで比較した。解析のために、ナショナルレセプトデータ・サンプリングデータセット(全国の外来患者の1/100サンプルの1か月分のレセプトデータ)を用いた。運転禁止薬では、併用成分数増加に伴って転倒に関係した骨折発症のリスクが顕著に増加したが、運転注意薬ではそのような傾向は認められなかった。 多剤併用(ポリファーマシー)が転倒発症や骨折発症に影響するとの報告があるが、単なる薬の数ではなく、薬の種類(タイプ)が、転倒に関係した骨折発症のリスク因子として、より重要であることが示された。ただし、本知見は1か月分のデータ解析から導かれたものであり、数か月前に処方された医薬品の使用は考慮されておらず、また、データ処理は月単位にせざるを得なかったため、骨折発症後に使用された医薬品も含めた解析となっている。本知見の妥当性は、長期間のデータを用いて評価される必要があり、28年度は長期間データを用いた解析に取り組む。 日本は医療機関や薬局にフリーにアクセスでき利便性はよく、国民はいつでも医療を受けることができる。しかしながら、言い換えると、複数の施設での医薬品入手が可能であり、その結果、医薬品数が多くなりがちで、似通った作用の薬が併用される危険性がある。28年度以降の研究により、ふらつきを及ぼす薬の併用による骨折発症への影響を、より一層正しく評価して、医薬品使用の適正化を促す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ステップ1の研究が完了したため、ステップ2の研究(長期間のナショナルレセプトデータを用いた縦断研究)に着手している。当初、ステップ2の研究は、ネスティッドケースコントロールという研究デザインで実施する予定にしていたが、より精緻に評価できるケースクロスオーバデザインを用いることにした。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度に実施した研究(ステップ1の研究)は、28年度以降の研究(ステップ2の研究)に比べるとデータ容量は少なく、研究補助を必要とせずに、また、トラブルもなく実施できたため、予定より支出が少なくて済み、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度以降に実施する研究(ステップ2の研究)では、長期間の、大規模データの解析であり、予想されないトラブルが発生する可能性がある。その対応のために次年度に持ち越した費用を使用する予定である。
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