滑膜細胞が異常に増殖・肥厚した関節リウマチ(RA)関節内では、関節滑液のpHが低下することが知られている。本研究では、炎症によって生じる局所的な細胞外微小環境の変化に着目し、細胞外pHの酸性化が誘発する炎症応答を調べた。その結果、細胞外環境の酸性化は、RA滑膜細胞(RASC)に発現するプロトン感知性受容体OGR1を介してCOX-2やADAMTS-4の発現を誘発すること、この応答はLPA存在下で相乗的に増大することを見出した。関節滑液のアシドーシスは、炎症性メディエーターによる炎症応答を増幅し、RAの病態形成において重要な役割を果たしている可能性を示した。
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