研究実績の概要 |
初年度は当初計画のとおり頭痛用鎮痛薬に関する効果および使用後満足度等の比較検討を行った。鎮痛効果は0から100mmまでのVASスケールを用い、薬剤服用者に服用前から服用後0.5, 1, 2, 3, 4, 6, 8時間後の痛みの程度を記録紙に記入してもらうことによって、また満足度は、服用者の5段階評価によって評価した。平成27年10月から平成28年1月の研究期間に合計41例のデータが集積された。そのうち服薬前の痛みスコア30以上の39例について中間解析を行った。服用薬剤はロキソプロフェン製剤27例、イブプロフェン製剤3例、アスピリン製剤5例、アセトアミノフェン+エテンザミド製剤3例、イソプロピルアンチピリン+アセトアミノフェン製剤1例であった。そこで先ず、ロキソプロフェン群と(アスピリン、アセトアミノフェン+エテンザミド)群について鎮痛効果の比較を行った。服薬前の痛みスコアはそれぞれ65±17(SE)、58±21で有意差はなかった。服薬後両群とも著名な痛みスコアの低下がみられ、服薬6時間後まで持続した。薬剤群間で鎮痛効果に差がみられるかどうか、二元配置(2要因)分散分析(1要因対応なし、1要因対応あり)を行ったところ、薬剤群間には有意差が見られなかった。薬剤服用者の服用後満足度についてもロキソプロフェン群:大変満足6、満足19、どちらとも言えない2、アスピリン等群:各々3,4,1であり、カイ二乗検定の結果両薬剤群間に有意な差はみられなかった。 以上のとおり、これまでのところ、日常活動が行える中等度程度までの頭痛に対しては、その効果および服用後満足度の両面において、薬剤群間の著名な差は見られていない。本成績は頭痛に対する一般用医薬品購入希望者への有益な情報となる可能性があり、今後さらに症例を重ね、解析を深めてゆく予定である。
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