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2016 年度 実施状況報告書

新機序糖尿病治療薬の副作用に関する薬剤疫学研究とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K08124
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

今任 拓也  国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 主任研究官 (20368989)

研究分担者 堀 雄史  浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (20436786)
川上 純一  浜松医科大学, 医学部附属病院, 教授 (50272539)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード薬剤疫学 / 副作用 / 糖尿病薬 / DPP4阻害薬
研究実績の概要

本年度は、前年度の副作用自発報告データベースを用いた解析結果より、新機序糖尿病治療薬の一つであるDPP4阻害剤とスルホニル尿素剤の併用と急性膵炎との関連について、共同研究施設の医療情報データベースを用いた検討を行った。
研究デザインは、ケースクロスオーバーデザインとした。対象者は、2010年1月1日から2016年3月31日までにDPP4阻害薬を新規処方されていた者770名とした。そのうち、処方開始後に急性膵炎の指標として、血清アミラーゼ値が123 IU/l(正常高値)以上を認めた者35名を解析対象者とした。処方開始後、最初に血清アミラーゼ値が正常高値以上となった日を起点として、血清アミラーゼ高値以上発症日より30日前までの期間をリスク期間、コントロール期間は、2期間を使用し、血清アミラーゼ高値以上発症日の60日前から90日前までをコントロール期間1、150日前から180日前までをコントロール期間2として、それぞれの期間のDPP4阻害薬とスルホニル尿素剤との併用状況を比較したところ、リスク期間にDPP4阻害薬とスルホニル尿素剤を併用している人が79%であり、2つのコントロール期間には、15%程度しか併用していなかった。
本研究結果より、DPP4阻害薬とスルホニル尿素剤との併用が血清アミラーゼ値に何らかの影響を及ぼしている可能性が示唆された。しかしながら、サンプルサイズが小さく、十分な統計パワーが得られていない可能性も考えられるため、今後、さらに大規模なデータを用いた解析が必要があると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度の副作用自発報告データベースを用いた解析結果を基に、本年度は、共同研究施設の医療情報データベースを用いて、DPP4阻害薬とスルホニル尿素系薬剤との併用が血中アミラーゼ濃度に影響を与えるかどうかをケースクロスオーバー研究にて検討することができた。

今後の研究の推進方策

本年度は、共同研究施設の医療情報データベースを用いて、薬剤疫学研究を実施したが、1病院施設の医療情報だけでは、十分なサンプルサイズを得ることが困難であるため、今後は、近年、薬剤疫学研究への利用がなされている診療報酬明細書(レセプト)データを用いることで、十分なサンプルサイズを確保し、詳細な解析を行うこととする。
また、DPP4阻害薬は、免疫抑制効果を持つことが報告されており、高齢者におけるDPP4阻害薬と感染症との関連についても検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、共同研究施設の医療情報データベースを用いたことにより支出を抑えることができたため。

次年度使用額の使用計画

次年度は、大規模なデータベースによる解析が必要であると考えられるため、レセプトデータなどの購入する予定をしている。

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公開日: 2018-01-16  

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