脳の中に脳室という空間があり、脳脊髄液という液体が存在している。脳室は上衣細胞という細胞の層により覆われており、脳と脳脊髄液の間の境界となっていて色々な物質の移動の調節を行っている。また上衣細胞は鞭毛運動を行う多数の線毛という細胞構造物を脳室側に突出していて、線毛の運動が脳脊髄液の動きを制御している。脳の発達段階において、上衣細胞が幹細胞から成長して成熟細胞となるにはどのような因子の働きかけが必要か十分に分かっていない。本研究ではその因子を明らかにするために、骨形成たんぱく質という体内で情報を伝達することに使われているたんぱく質や脳脊髄液の関連を解析した。
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