研究実績の概要 |
本研究計画の目的は、非クラスタ型δ-プロトカドヘリンが脊椎動物の発生と構造維持にどう関わっているかを解明することである。そのために胚から成体まで顕微鏡的に解析できる技術が必要だった。そのため、クライオスタットとデジタル一眼カメラを組み合わせた高スループット3D画像解析法を開発した。これによって標本全体から3D画像を得られるだけでなく、任意の位置で切片を採取してより細かく調べることも可能になった。ゼブラフィッシュのほかマウスなどほかの実験モデルにも応用し、データを蓄積した。成果の一部は論文や学会で発表した。また、その技術情報および3D画像を公開するためのリポジトリ <http://pandora.med.gunma-u.ac.jp> を設置して公開した。3D画像解析法の開発は一応の完了をみたが、通常のマクロレンズでは胚など小さな標本の解析には倍率が不足することは明らかだった。そのためより高精細な画像を得るための改良を行った。具体的には高倍率な特殊なマクロレンズを数種検討して可能性を検討した。これにより像面上で5倍までの拡大撮影が可能になった。ただし装置の振動などによる画像の劣化も明らかになり、それらの解決するための装置の改良を計画した。その実施と胚への応用が今後に残された。 Tajika, Y., Murakami, et al. (2017). Scientific Reports, 7(1), 3645. Murakami, T., Tajika, Y. et al. (2016). The 118th Annual Meeting of the Japanese Association of Anatomists, Fukushima. Tajika, Y., Murakami, T. et al. (2015). The 2015 ASCB Meeting, San Diego.
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