研究課題
現在、各種検査法の進歩により出生前診断が胎児期(妊娠中期)から胚子期(妊娠初期)へとより早期化しつつある。外表形態のみならず内臓までもクリアに描出されるようになる一方、細かな計測的基準は未だ確立されていない。世界有数のヒト初期胎児標本群である「Kyoto Collection」はその標本数の多さから、子宮内の人口集団をほぼ反映していると考えられている。本研究は、この標本群を用いて、世界最高の高解像度で三次元イメージングを行い、得られた画像所見を計算解剖学的手法により数値として表現することで、妊娠初期胎児形態の定量的基準を作成する。また、異常例の標本から遺伝学的データを抽出し画像所見と比較することにより、形態学的診断を遺伝学的に裏付け、臨床的に有用な診断基準を確立しようとするものである。【高解像度高速胚撮像法の確立】位相CTを利用した画像撮像を行った。186時間のマシンタイムを得て、実験動物のデータが順調に得られたので、ヒト胚子での撮像に移行し約30体のデータを得た。今後、詳細な画像解析を行う。【計算解剖学的解析による先天異常診断】既存のMR画像データベースを用いての解析を試みた。まず初年度はデータのハンドリングとエッジ検出を行った。エッジ検出にはCannyアルゴリズムを利用した。エッジ検出は高い精度で出来ている。また、今回DeepLearningの環境構築も行ったが、windows環境でのDeepLearning環境の構築は各種DeepLearningフレームワークがwindowsサポート対象外ということもあり、うまくいかなかった。【古標本からの核酸抽出法の開発】豊富で利用可能なヒト胚子サンプル群を活かし、安定してこれらのサンプルからゲノムDNAを抽出できるプロトコルの確立を目指した。一定の成果を得て、論文化することができた。
1: 当初の計画以上に進展している
古標本からの核酸抽出法の開発において、パイロットの成果ではあるが、論文出版にまで到達することができた。
DeepLearningの環境構築について、仮想化でubuntuを入れて、ubuntu上にDLの環境を作ることは可能だが、GPUが使える状態を作るまでが難しい。Windowsとubuntuのデュアルブート環境を作ることが、近道だと考えられる。古標本からの核酸抽出については、染色体の過不足を調べるためのアレイ等から試みていく。ラベリングが難しければ、次世代シークエンサーによる解析も検討する。
データ解析を行うコンピューター等につき、購入予定であったが、汎用機であったため、他の研究資金で購入したものを利用することが出来たため、使用額が少なくなった。
データ量が大きいので、ハードディスク購入など、データ保持の目的のために増額して使用する予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件、 謝辞記載あり 7件、 オープンアクセス 13件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 図書 (2件)
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