研究課題
現在、各種検査法の進歩により出生前診断が胎児期(妊娠中期)から胚子期(妊娠初期)へより早期化しつつある。外表形態のみならず内臓までもクリアに描出されるようになる一方、細かな計測的基準は未だ確立されていない。本研究は、このKyoto Collectionを用いて、世界最高の高解像度で三次元イメージングを行い、得られた画像所見を計算解剖学的手法により数値として表現することで、妊娠初期胎児形態の定量的基準を作成する。また、異常例の標本から遺伝学的データを抽出し画像所見と比較することにより、形態学的診断を遺伝学的に裏付け、臨床的に有用な診断基準を確立しようとするものである。【高解像度高速胚撮像法の確立】位相CTを利用した画像撮像を行った。144時間のマシンタイムを得て、ヒト胚子の撮像を行い18体のデータを得た。【計算解剖学的解析による先天異常診断】既存のMR画像データベースを用いての解析を試みている。ヒト胚子画像のMR画像解析の方法として、部位の3Dの構造を考慮に入れた3D Conventional Neural Network (3D-CNN)による識別学習を検討した。検討は主にベンチマークが手に入る放射線画像診断における肺結節の良性・悪性の判別のアルゴリズムからの応用が可能かを中心に検討し、各部位である確率を出力する回帰3D-CNNとその3D-CNNを用いてフィルタリングした結果を用いて、さらに全体の識別を行う2段階の識別手法を構築中である。今後は、実際のMR画像での学習のためのスモールデータセットによる検討をする予定である。【古標本からの核酸抽出法の開発】外表異常の認められないコントロール胎児20例を選出し、前年度までに確立した抽出プロトコールに基づき、DNA抽出を行った。抽出されたDNAは、長期間にわたる固定液内保存の影響により、170±50塩基長に高度に断片化されていた。
2: おおむね順調に進展している
概要に書ききれなかったが、海外の共同研究先と協力し、異常例における遺伝学的解析にも着手できている。
最終年度であり、計算解剖学的解析による先天異常診断の研究を中心に推進する予定である。
研究経費の使用を効率的に行った結果、次年度使用額が生じた。
実験に必要な純水装置が故障しているため、その修理あるいは新規購入に充てる予定である。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 2件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (37件) (うち国際学会 10件、 招待講演 2件)
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