研究課題
本研究は、Kyoto Collectionを用いて、世界最高の高解像度で三次元イメージングを行い、得られた画像所見を計算解剖学的手法により数値として表現することで、妊娠初期胎児形態の定量的基準を作成する。また、異常例の標本から遺伝学的データを抽出し画像所見と比較することにより、形態学的診断を遺伝学的に裏付け、臨床的に有用な診断基準を確立しようとするものである。【高解像度高速胚撮像法の確立】位相CTを利用した画像撮像を引き続き行った。192時間のマシンタイムを得て、ヒト胚子の撮像を行ったが、マシントラブルの影響もあり、データが解析に耐えるかどうかについては検討を要する状態である。【計算解剖学的解析による先天異常診断】既存のMR画像データベースを用いての解析を試みている。幾何学的形態測定学(Geometric Morphometrics, GM)による画像解析を導入し、ヒト形態形成の動的変化の定量的な解明を試みた。画像処理および機械学習による抽出の結果、外表面上においてマニュアルによる抽出と遜色のない三次元可視化モデルを作成することができた。PCAの結果、PC1、PC2およびPC3がそれぞれ69.9%、6.56%、6.11%を示した。PC1は脳の前後方向の成分であり、これにより脳の形態変化は、前後方向、特に終脳の後方部分の拡大が最も著しいことが示された。【古標本からの核酸抽出法の開発】外表異常の認められないコントロール胎児20例を選出し、前年度までに確立した抽出プロトコールに基づき、DNA抽出を行った。対象標本は30ー50年以上もの長期間ホルマリン液に浸漬されていたため、短時間(数時間ーovernight)の固定液内浸漬後にパラフィンに包埋されたFFPEサンプルよりもさらにDNA変性が進行したためにシークエンス解析を実施できるレベルの抽出DNAは得ることが困難であった。
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