顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子 (granulocyte macrophage-colony stimulating factor; GM-CSF)の生体内における脳組織発生におよぼす影響を解明すべく研究を行った。胎齢13日のマウス胎仔大脳の側脳室にGM-CSFを注入し、2日後の脳組織を解析した。結果、大脳の内側基底核隆起の脳室面に配列不整な細胞群が形成され、細胞群は神経幹細胞から神経前駆細胞へと分化を始めた細胞が移動できずに脳室表面側に蓄積されたものと考えられた。従って、過剰GM-CSFが神経幹細胞の増殖・分化・移動に部位特異的に影響し、脳の組織形成に異常をきたすことが示唆された。
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