γδ型IELは種々の刺激に迅速に反応する「即時的かつ単発的反応性の防御細胞」で、腸粘膜最前線に位置する「使い捨て型の防御細胞」であると推察される。IELの活性化に伴う「上皮細胞でのパーフォリン非依存性のDNA断片化およびその後の迅速なDNA修復現象」はIEL自身においても生じること(自己作用型DNA断片化)が確認され、この現象は結果的に「生体での普遍的な現象」であると推察する。さらにIELの活性化後にみられる一過性の下痢(絨毛上皮の剥離)は、粘膜固有層局在マクロファージ由来のTNFαによるものと推察され、病原ウィルス等に感染した上皮の排除による生体防御反応へのIELの関連性も示唆された。
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