ハンチントン病関連タンパク質HAP1は神経細胞質封入体stigmoid body(STB)のコア分子である。本研究で、プロテアソーム阻害剤 (PI)によりHAP1がSTB形成から顆粒網状構造へと発現形態を変化させることが分かった。PIはHAP1とミトコンドリアタンパク質VDAC1との結合を増強した。顆粒網状構造HAP1はミトコンドリアチトクロムC漏出やカスパーゼ3活性化を減弱し、PI誘導性アポトーシスを抑制した。HAP-KOマウスのPI誘導性アポトーシスは亢進していた。つまり、老化脳にも観察されるプロテアソーム活性低下状態において、HAP1が内在性の神経保護因子である可能性を示すものである。
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