造血現象を制御する、いわば造血の「畑」ともいえる造血微小環境において、その構成細胞であるストローマ細胞の役割について検討した。ストローマ細胞は恒常的造血、またストレス下の反応性造血において、サイトカイン産生、接着因子による情報伝達などの機序を介して造血細胞の増殖、分化を制御し、同時に造血細胞保護機能を有するなど造血現象の中心的役割を担っていることが、in vivo、in vitroの両面からの検証により明らかとなった。ストローマ細胞機能の量的、質的障害は、貧血など造血障害などの病的動態に深くかかわっていることが明らかとなり、今後の造血器障害治療の新たな展開の可能性を示唆する結果が得られた。
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