研究課題/領域番号 |
15K08166
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
土井 佳子 福岡大学, 医学部, 講師 (10341538)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 赤血球 |
研究実績の概要 |
自己免疫性甲状腺疾患(AITD)感受性遺伝子として同定したZFAT(zinc-finger gene in AITD susceptibility region / zinc-finger with AT-hook) の赤血球分化における機能的役割の解明とその機能発現のための分子機序の解明を目指して、マウスの胎児発生期における赤血球分化を中心にZFATの機能解析を進め、以下のような研究成果を得た。 ZFAT発現抑制時の胎生12.5~13.5日でのマウス胎児肝臓において赤血球細胞数の減少が示され、赤血球分化抑制が示唆されている。マウス胎児肝臓において赤血球分化障害が細胞内因性によるものかを検討するためにex vivo培養系を試みた。マウス胎児肝臓を対象にセルソーターを用いて赤芽球系前駆細胞を分離後、ZFAT発現抑制時における分化培養系でのZFAT発現抑制の影響を検討した結果、ZFAT発現抑制により分化抑制の傾向が示された。さらに、赤血球分化におけるZFATの機能解明とZFATの転写制御標的遺伝子の同定によるZFATを中心とした生物学的機能ネットワークの解明を試みるため、コンディショナルZFAT欠損マウスおよびK562細胞の解析から得られた表現型解析、発現プロファイルおよびChIP-seq解析の結果に基づき、ZFATの機能とZFATの転写制御標的遺伝子およびZFAT欠損による発現変動遺伝子との関連性の検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胎生12.5~13.5日のマウス胎児肝臓より赤芽球系前駆細胞を分離し、ex vivoでの分化培養系でZFAT発現抑制時の影響を検討した。また、ZFAT転写制御遺伝子とZFAT発現抑制時の表現型解析および発現変動遺伝子群から推察されるZFATの機能解明に向けて研究を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
ZFATの生物学的機能ネットワークの解明を目指して、マウス胎児肝臓における赤芽球系前駆細胞のex vivo培養系においての追加実験等および、これまでに得られた表現型解析、発現プロファイルおよびChIP-seq解析の結果に基づき、ZFATの機能とZFATの転写制御標的遺伝子およびZFAT欠損による発現変動遺伝子との関連性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験、分子生物学的実験、細胞培養に必要な試薬とプラスチック器具などの消耗品費を主な必要経費として計画し、学会発表等の国内旅費と論文投稿・掲載料も計上している。
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