本研究は、微小管結合タンパク質CRMP2の微小管ダイナミクス制御の分子機構解明を通じて神経細胞軸索伸長の制御機構を明らかにする事を目的とし、以下の結果を得た。CRMP2は神経細胞の発生段階において、将来の軸索突起の先端に局在して軸索特有の「軸索型微小管」の重合を促し、効率良く軸索伸長を誘導することで神経細胞極性形成に大きく寄与する。分子モーターキネシンは、CRMP2が誘導した「軸索型微小管」を道標として、軸索突起に選択的に物質輸送を行う。CRMP2のC末端部がリン酸化を受けると、CRMP2 と微小管との静電的反発により軸索型微小管の誘導効果が消失し、軸索誘導から反発へとシグナルが切り替わる。
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