研究実績の概要 |
糖尿病患者には洞不全症候群および心房細動などのリズム異常を合併することが多い。そのメカニズムとしては,洞結節細動の線維化およびリモデリングなどの関与が考えられるが,詳細なメカニズムについてはいまだ解明されていない。そのため,糖尿病患者における洞結節機能障害を進展させない治療として,厳格な血糖コントロール以外の有効な治療方法は存在しない。今回の我々の研究によって,高血糖状態が炎症および酸化ストレス亢進を介して心房細動を誘発していることが明らかにされた。さらに,その過程に肥満細動の関与も明らかにした。これらの研究成果は下記英語論文として報告した。 Uemura K, Kondo H, Ishii Y, Kobukata M, Haraguchi M, Imamura T, Otsubo T, Ikebe-Ebata Y, Abe I, Ayabe R, Saito S, Aoki K, Nagano-Torigoe Y, Akioka H, Shinohara T, Teshima Y, Masaki T, Yufu K, Nakagawa M, Takahashi N. Mast Cells Play an Important Role in the Pathogenesis of Hyperglycemia-Induced Atrial Fibrillation. J Cardiovasc Electrophysiol. 2016;27:981-9.
また,肥満細胞から放出されるレプチンのリズム障害に対する影響を研究した結果,高レプチン血症は心房の線維化を進展し,心房細動を誘発させることを認めた。最近,この成果を下記英語論文として報告した。 Fukui A, Ikebe-Ebata Y, Kondo H, Saito S, Aoki K, Fukunaga N, Shinohara T, Masaki T, Teshima Y, Takahashi N. Hyperleptinemia Exacerbates High-Fat Diet-Mediated Atrial Fibrosis and Fibrillation. J Cardiovasc Electrophysiol. 2017 Mar 3. doi: 10.1111/jce.13200.
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