本研究では、マウスを用いて実験を行い、食事と運動のタイミングを人為的に調節することで、遺伝子変異により損なわれた、活動および遺伝子発現における日内リズムを補強することができた。この結果は、適切な時間帯に食事や運動負荷を与えることで、疾病や老化によって減弱した体内時計を回復できる可能性を示す。また、時計遺伝子CLOCK変異マウスの中枢体内時計では、遺伝子発現リズムのパターンが変化していることを発見し、細胞レベルでのリズム減衰がその原因であることが示唆された。CLOCK変異マウスは夜間の光暴露などの刺激によって体内時計が大きくずれることが知られており、今回の発見が、その一因である可能性を示した。
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