研究課題/領域番号 |
15K08224
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
本多 和樹 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 研究員 (70173656)
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研究分担者 |
児玉 亨 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 副参事研究員 (20195746)
田中 進 関西医科大学, 医学部, 講師 (30399472)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ナルコレプシー / trib2 / ataxin mouse |
研究実績の概要 |
オレキシン神経細胞の脱落が完了することを確認された生後10週齢のAtx3/ORXマウスを用いて抗TRIB2抗体価を計測、抗体価も上昇することを確認した。生後2~3週齢、10週齢、ならびに6か月齢の野生型およびAtx3/ORXマウス血清を分離。TRIB2抗原を固相化96well plateを用いてマウス血清を反応させ、血清由来のマウス抗体を結合させ、ProteinG―ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を加えることで抗体と結合したHRPをDABにて検出した。陽性反応が得られた血清はTRIB2抗原を用いたImmuno-blottingにおいても検出可能であることを確認された。さらに、陽性反応血清をTRIB2抗原で吸収することにより陽性バンドとELISA値の減弱を確認した。 ELISAによって抗TRIB2抗体が陽性と判定された血清を用いてImmuno-blottingをおこない陽性バンドを確認。陰性コントールによる検討も併せて行い陽性血清でのみ観察されるバンドを抽出した。家兎血清において予想されるTRIB2(39kDa)との泳動距離との違いが観察されたバンドに関しても分離し、質量分析法による抗原同定の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質量分析の進行がやや遅れているがほぼ順調に進行中
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今後の研究の推進方策 |
本年度は質量分析により新規自己抗原の候補を選択し自己抗原の同定を試みる。質量分析による同定を試みる際の問題として十分量かつ精製された抗原が必要となるためまず、陽性血清にてマウス視床下部組織より新規自己抗原を濃縮する。精製された視床下部タンパクをSDS-PAGEにより抗体と分離させ、銀染色を行うことによりImmuno-blottingにて確認された位置と同位置にバンドが得られることを確認する。確認されたバンドをゲルより切り出し、トリプシンによるゲル内消化をおこなう。ゲル内消化サンプルをMALDI-TOF/MSにて質量分析しその配列をデータベースと照合することにより新規自己抗原を同定する。沈降サンプルを用いたImmuno-blottingにおいても同位置に陽性バンドが得られることを確認する。 患者血清と35S-標識抗原を反応させる。次に形成された免疫複合体をProteinGセファロースにて捕捉する。96 well filterプレートによりセファロースがfilterに捕捉されるため、ProteinGに未結合の血清成分、抗体等が除去される。これにより遠心操作なしに容易に10回の洗浄操作を可能とし、それによりバックグラウンドを極限まで減らすことを可能としている。最終的に得られた35S-標識抗原-自己抗体-ProteinG複合体の放射活性を液体シンチレーションカウンターにて測定する。健常者血清由来の放射活性も同時に測定し、健常者の[平均値+2*標準偏差]を閾値として陽性陰性の判定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
質量分析研究の進行が予定よりやや遅れているため経費を翌年度に持ち越しまとめて分析する必要性がある。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度始めに質量分析解析を始める経費として用いる。
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