一酸化窒素(NO)は骨格筋や脳に発現する1型リアノジン受容体(RyR1)の3636番目のシステインをS-ニトロシル化修飾して活性化し、細胞質にカルシウムを放出する(NO-induced calcium release (NICR))。このシステインをアラニンに変異させたノックインマウスはRyR1の発現やリアノジン結合能、CICR活性が野生型マウスと差が見られず、正常であった。骨格筋ではNICRが消失していたものの、運動機能への異常は確認できなかった。一方、脳において、側頭葉てんかんに伴う海馬の神経細胞死が、ノックインマウスで軽減しており、NICRは神経細胞死の引き金となることを明らかにした。
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