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2016 年度 実施状況報告書

血管内皮におけるdihydrofolate reductaseの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K08238
研究機関琉球大学

研究代表者

野口 克彦  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70156181)

研究分担者 筒井 正人  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70309962)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードテトラヒドロビオプテリン / 血管内皮機能 / 一酸化窒素 / dihydrofolate reductase
研究実績の概要

1)血管内皮細胞特異的ジヒドロ葉酸還元酵素(Dhfr)遺伝子欠損マウス:2ラインのDhfr 遺伝子flox マウスと内皮特異的Cre発現マウスの交配によって内皮特異的Dhfr 欠損マウスを得た。これらのマウスには外見上の明らかな異常はみられなかった。また、体重、飲水量、尿量、摂餌量、血糖、血漿総コレステロール、血漿中性脂肪、および血圧と心拍数のいずれにも野生型マウスに比べ有意の差はみられなかった。一方、肺DHFR活性は、Creを発現しているDhfr 遺伝子flox マウスではCreを発現していない対照マウスに比べ約1/3に減少していた(0.16±0.08 vs 0.41±0.05 nmol/min/mg protein, P<0.05)。また、62-69週齢の加齢マウスでは、Cre(+)でCre(-)に比べ血圧に差は見られなかったが、心拍数の有意の減少(662±12 vs 720±6 bpm)が認められた(P<0.01)。
2)時期及び内皮特異的Dhfr遺伝子欠損マウス:Dhfr 遺伝子flox マウスとtamoxifen 誘発内皮特異的Cre発現マウスを交配することにより、2ラインの時期及び内皮特異的Dhfr 欠損マウスを得た。これらのマウスには外見上の異常は見られなかった。
3)内皮特異的ヒトDHFR遺伝子導入マウス:ヒトDHFR cDNAをtie2プロモーター下流に導入することにより3ラインの内皮特異的ヒトDHFR遺伝子導入ファウンダー(F0)マウスを作製した。これら3ラインのF2マウスを用いて、導入遺伝子を有するマウス(Tg+)と有しないマウス(Tg-)を比較することによりDHFR過剰発現の影響を調べた。いずれのラインのマウスでも体重・血圧・心拍数にTg有無の差はみられなかったが、組織DHFR活性は3ラインともTg+でTg-に比べ2~4倍の著明な増加が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度では、2種類のDhfrコンディショナルノックアウトマウスとDHFR過剰発現マウスを作製し、これら遺伝子改変動物それぞれのDHFR活性の減少、増大を確認した。さらに、内皮特異的Dhfr遺伝子欠損マウス、およびDHFR過剰発現マウスで表現型の探索を行った。これまでのところ顕著な異常は見出されていないが、内皮特異的Dhfr遺伝子欠損マウスでは加齢によって徐脈になる可能性が示唆された。今後、酸化ストレスを伴う病態モデルを用いた検討を行う予定である。

今後の研究の推進方策

次年度では、組織中のテトラヒドロビオプテリン(BH4)含量・ジヒドロビオプテリン(BH2)含量の評価、および病態モデルでの検討を実施する。その際に、これら遺伝子改変マウスをまとめて使用することにより、できるだけ効率化を図って実験を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

・試薬代が見込みより安価であったから。
・予想より研究成果の積み重ねが少なかったため学会出張の回数が予定より減ったから。

次年度使用額の使用計画

・当該年度で実施する予定だった実験に用いる試薬・物品購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Long-term dietary nitrite and nitrate deficiency causes the metabolic syndrome, endothelial dysfunction and cardiovascular death in mice2017

    • 著者名/発表者名
      M. Kina-Tanada, M. Sakanashi, A. Tanimoto, T. Kaname, T. Matsuzaki, K. Noguchi, T. Uchida, J. Nakasone, C. Kozuka, M. Ishida, H. Kubota, Y. Taira, Y. Totsuka, S. Kina, H. Sunakawa, J. Omura, K. Satoh, H. Shimokawa, N. Yanagihara, S. Maeda, Y. Ohya, M. Matsushita, H. Masuzaki, A. Arasaki, M. Tsutsui
    • 雑誌名

      Diabetologia

      巻: 59 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1007/s00125-017-4259-6

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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