研究課題
1)血管内皮細胞特異的ジヒドロ葉酸還元酵素(Dhfr)遺伝子欠損マウス:2ラインのDhfr 遺伝子flox マウスと内皮特異的Cre発現マウスの交配によって内皮特異的Dhfr 欠損マウス(Cre+)を得た。これらのマウスには外見上の明らかな異常はみられなかった。また、体重、飲水量、尿量、摂餌量、血糖、血漿総コレステロール、血漿中性脂肪、および血圧と心拍数のいずれにも対照マウス(Cre-)に比べ有意の差はみられなかった。一方、肺DHFR活性は、Creを発現しているCre(+) マウスでは対照マウス(Cre-)に比べ約1/3に減少していた(P<0.05)。また、62-69週齢の加齢マウスでは、Cre(+)でCre(-)に比べ血圧に差は見られなかったが、心拍数の減少が認められた(P<0.01)。酸化型BH4であるBH2の肺組織含量はCre(+)でCre(-)に比べ49%の増加を示した(P<0.01)。2)時期及び内皮特異的Dhfr遺伝子欠損マウス:Dhfr 遺伝子flox マウスとtamoxifen 誘発内皮特異的Cre発現マウスを交配することにより、2ラインの時期及び内皮特異的Dhfr 欠損マウスを得た。これらのマウスには外見上の異常は見られなかった。3)内皮特異的ヒトDHFR遺伝子導入マウス:ヒトDHFR cDNAをtie2プロモーター下流に導入することにより3ラインの内皮特異的ヒトDHFR遺伝子導入ファウンダー(F0)マウスを作製した。これら3ラインのF2マウスを用いて、導入遺伝子を有するマウス(Tg+)と有しないマウス(Tg-)を比較することによりDHFR過剰発現の影響を調べた。組織DHFR活性は3ラインともTg+でTg-に比べ2~4倍の著明な増加が認められたが、いずれのラインのマウスでも体重・血圧・心拍数・肺のBH2含量にTg有無の差はみられなかった。
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Diabetologia
巻: 60 ページ: 1138-1151
10.1007/s00125-017-4259-6