本研究の目的は、ヒトHO-1遺伝子エンハンサー領域由来eRNA E2sによる遺伝子発現増強分子機構の解明である。本目的の達成のために、まずeRNA E2sによ制御されるHO-1以外の遺伝子を探索した。その結果、AKR1C1遺伝子がeRNA E2sにより制御されることがわかった。HO-1およびAKR1C1遺伝子発現増強におけるeRNA E2sの影響を検討した結果、プロモーター領域へのRNA polymerase IIの結合増強がeRNA E2sの作用点の一つであることがわかった。HO-1とAKR1C1遺伝子は異なる染色体上に位置するため、eRNA E2sはトランス作用性の機能を持つと示唆された。
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