研究課題
LRBAはBEACH(Beige and Chediak-Higashi)ファミリーに属する約320kDaの巨大タンパク質で、B細胞機能異常を伴う免疫不全症の一つであるCVID(分類不能型免疫不全症; Common variable immunodeficiency)の原因遺伝子として報告され、さらには、CTLA4タンパク質を制御しアバタセプト(CTLA4-Ig)に対する治療効果に影響を示すことが明らかにされるなど、現在、大きな注目を集める新規の免疫制御因子である。本研究では、申請者が独自に見出したLRBAの生理機能として「IFN経路の制御」に着目して解析を進めている。申請者のこれまでの研究から、LRBAがIFN経路を抑制的に制御することが示唆されていた。しかしながら、その実験の多くがpolyI:CやpolyA:Tなどのモデル基質を用いたものであり、実際にRNAウイルスやDNAウイルスを感染させた際の応答性の評価が必要であった。そこで最終年度、広島大学との共同研究により、LRBA-KO細胞にRNAウイルスの一種であるセンダイウイルス(SeV)を感染させ、IFN経路の応答性を評価した。その結果、SeV感染に伴うIFNbの分泌が、LRBA-KO細胞において大きく亢進することが新たに見出された。また、免疫沈降法などによりLRBAの新規結合因子の同定に成功し、さらに、それらに脱リン酸化酵素をリクルートすることで、シグナル伝達を負に制御する可能性を見出した。また、LRBAと非常によく似たドメイン構造を有し、脳特異的に発現しているNBEA (Neurobeachin)も、同様の機能を有する可能性を見出した。今後、これらの知見を精査しさらにブラッシュアップさせ、研究論文の発表へと繋げて行きたい。
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J Dermatol.
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Monoclon Antib Immunodiagn Immunother.
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