メンデル遺伝病の基本として、X連鎖遺伝は男性は重症、女性は軽症あるいは保因者となることが想定される。しかし、X染色体上のEFNB1遺伝子が原因の頭蓋・前額・鼻症候群では、女性重症、男性軽症でありX連鎖遺伝のパラドックスと言われている。この現象は、女性におけるX染色体のランダムな不活化が、正常タンパク発現細胞と変異発現細胞の混在状態、いわゆるモザイク状態を引き起こすことで正常発生を撹乱することが原因とされる。本研究ではこのモザイク状態をin vitroで再現することを目指し、EFNB1発現培養細胞株を樹立し、培養皿上にてこの混在状態での細胞移動度がより阻害される現象を再現することができた。
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