低酸素抵抗性を獲得した癌細胞は悪性度が高く、高転移性で治療抵抗性を示す。我々は以前から低酸素抵抗性の獲得において鍵となる転写因子HIFが多数の糖鎖関連遺伝子の転写調節に関わることを解明してきた。本研究では癌細胞で重要な細胞接着分子CD44のリガンドであるヒアルロン酸の分解酵素遺伝子のうちHYAL1が低酸素により転写誘導されることを見いだし、これが癌治療の有力なターゲット遺伝子であることを明らかにした。またmicroRNAが調節する糖鎖関連遺伝子をMiaTrap法で調べ、GCNT2がmiR-199によって調節されることを見いだし、これも癌治療の有力なターゲット遺伝子であることを明らかにした。
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