研究課題
本研究では、NKT細胞特異的遺伝子再構成に際するクロマチン変化を捉え、その制御因子の同定の試みを通して、NKT細胞系列決定機構 の一端を明らかにすることを目的とする。1. 細胞分化に伴うVα14Jα18受容体遺伝子領域クロマチン構造の時間的変: NKTクローンマウスより作成したNKT-ES細胞を用い、ES からNKT細胞への分化過程におけるVα14領域のクロマチン構造変化を、ヒストン修飾を指標としてChIP-qPCR法にて確認した。2. Vα14Jα18受容体遺伝子再構成部位へ集積する制御因子の同定: NKT細胞において、Vα14Jα18受容体遺伝子再構成部位へ集積す る制御因子を同定するために、Vα14遺伝子配列を利用したDNAプルダウンアッセイを実施し、複数の結合タンパク質を同定した。また 、プロモーター部位のDNA配列解析の結果、Vα14プロモーター部に特異的に結合配列が存在する転写因子群の存在も確認した。これらの因子について定量PCR解析を実施した結果、NKT細胞特異的に発現する因子ではないことが確認された。3. 同定された候補因子のNKT細胞受容体Vα14Jα18遺伝子再構成への関与:同定された制御因子候補についてCRISPR/Cas9を用いて23系統の遺伝子欠損マウスの作製を試み、18遺伝子の欠損マウスを作成した。遺伝子欠損マウスの解析を進め、2系統においてNKT細胞の著減を確認した。NKT細胞が完全に欠損するわけではなかったため、遺伝子再構成時のVα14遺伝子の選択に影響する可能性を考慮しDegital Genomic PCRにて選択Vα遺伝子のレパトア解析を実施したところ、偏りは認められなかった。NKT細胞の減少が認められたマウスのうち1系統では、NKT1の著減が確認されたことから、NKT細胞のサブセット誘導において重要な因子である可能性が考えられた。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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