プロテインホスファターゼ PPM1Lに関して、肥満症の原因遺伝子であるとの報告があるが、その分子メカニズムは明らかとなっていない。PPM1L遺伝子欠損(PPM1L-KO)マウスに、高脂肪食を摂取させたところ、WTと比較し高脂肪食誘導性の肥満に対する抵抗性が観察された。PM1L-KOマウスでは、個体当たりの摂食量が減少しており、要因の一つとして神経系の異常の関与が示唆された。PPM1L-KOマウスの脳では、線条体および前交連の縮小が観察された。さらに分子レベルでの機能解明のため会合タンパク質の探索を試み、相互作用するタンパク質の候補として核膜表面に存在する分子を数多く同定した。
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