癌治療において、各癌におけるオートファジー活性を把握し、その活性に基づいた新たな癌治療戦略を確立することが重要である。本研究では、1)オートファジー分解基質p62分子がオートファジー活性の分子マーカーとなる可能性があること、2)マイクロRNAの1つmir-634の導入は、オートファジーを含む複数の細胞保護システムを抑制することで抗腫瘍効果を発揮すること、3)オートファジー阻害は急性リンパ性白血病におけるL-アスパラギナーゼの治療効果を顕著に増強することを明らかにした。これらの研究成果は、オートファジー活性を指標とした新たな癌治療戦略を開発する上で有用な分子基盤となることが期待される。
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