研究実績の概要 |
RNase MRP構成新規タンパク質を手掛かりにタンパク質RNA複合体であるRNase MRPの機能と構成RNAの変異で引き起こされるcartilage-hair hypoplasiaの病態メカニズムの探索を行っている。平成27年度は主に新規タンパク質とRNase MRP構成分子との関連を中心に検討を行った。既知のRNase MRP構成タンパク質10種(POP1, POP4, POP5, RPP14, RPP20, RPP21, RPP25, RPP30, RPP38, RPP40)をクローニングし、これらのタンパク質と新規タンパク質との結合を免疫沈降法を用いて調べた。細胞ライセートにRNaseを添加しない場合は、RPP30とRPP40を除くタンパク質との結合が認められたが、RNaseを添加した場合POP4とRPP21のみ結合が認められた。GFPタグを付加した10種のタンパク質を新規タンパク質の共発現有・無しの条件で細胞に導入し局在を観察した。POP4とRPP21は新規タンパク質を共発現することによりびまん性に核内に局在していたのが核小体限局性になった。新規タンパク質は核小体「ハブ」タンパク質とされるNucleolinやNucleophosminとも結合が認められたことより、新規タンパク質はRNase MRP構成タンパク質であるPOP4とRPP21と直接結合することによりRNase MRPの核小体内局在化に関与していると推測された。
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