アンジェルマン症候群はUbe3a というユビキチン化酵素の変異や欠失で起こる。Ube3a の標的は数多く知られるが、中枢神経細胞のシナプスにおける特定の蛋白分解機能でこの病態を説明できるとされている。一方で、Ube3a は核内でp53 や核内受容体などの転写因子を介して転写に直接関わることが古くから知られており、そもそも神経細胞の核内に主に局在する。本研究はこの症候群の病態にはUbe3a の核内機能、特に転写制御機構が重要な関わりを持つ可能性があるという仮説の元、分子生物学・生化学的アプローチからUbe3a の新たな機能を見出し、アンジェルマン症候群の新たな治療法への可能性を探る。
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