がん細胞では細胞内外pHの異常が悪性化に寄与している。IRBITファミリーは、種々のイオントランスポーターと結合し、細胞内pHを制御していることが知られている。そこでマススペクトロメトリー解析によりIRBITファミリー結合タンパク質として陰イオン交換体を同定した。Long-IRBIT及び陰イオン交換体ノックダウン細胞は、ともに細胞移動能が顕著に低下していた。また免疫沈降により、Long-IRBITと陰イオン交換体の直接的な結合を確認した。さらにIRBITファミリーの陰イオン交換能の依存性を検討するために、細胞内pHを測定したところ、有意な陰イオン交換能が減少していた。
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