研究実績の概要 |
海外との共同研究でMercaotopyruvate sulfurtrsnsferase (MST)-KOマウスを利用した実験を実施した。MST-KOマウスでにおいて血管収縮はmercaptopyruvateで惹起されることが明らかになった。すなわちmercaptopyruvateは硫化水素の受容体になり、MST activityに関与せず血管収縮を起こす(学術雑誌発表:Mitidieria et al. Nitric Oxide, 2018)。 また、別の共同研究でMST-KOマウスを利用した実験では、心臓の虚血性モデルにおいて、再環流障害を軽減することが判明した(学会発表:Bibli et al. Am Heart Assoc, 2017)。 さらに、MSTから硫化水素やポリスルフィドが産生されることが最近判明されているが、その機構として受容基質にペルスルフィドが形成し、還元されて生成される。一方、本研究では反応中間体で形成されるポリ(ペル)スルフィドから硫化水素やポリスルフィドが産生されることを証明した(学術雑誌発表:Nagahara et al. Biochem Biophys Res Commun, 2018) また、不安様行動について複数回再現性を調べたが、時にコントロールと統計的に差が得られないことがあった。検索の結果KOマウスにおいて、類似する酵素(硫化水素やポリスルフィドを産生する酵素)の過剰発現がみられた。本機序の解明は次年度の研究課題とする。この事実を元にMSTとのダブルノックアウトマウスの作成している。 その他、研究全体を総説(Nagahara, Br J Pharmacol, 2018)および分担書(Suwanai and Nagahara. Nanoscale Fabrication, Optimization, Scale-up and Biological Aspects of Pharmaceutical Nanotechnology, 2018)でまとめた。
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