研究実績の概要 |
約1万5千の遺伝子に対する網羅的shRNAライブラリーであるLenti PlexをBasal-like TNBC (MDAMB468, HCC70, HCC1143)とnon-TNBC (MCF7, T-47D, BT474)の細胞株に対して、ウイルスの導入率が30-50%になるようにinfectionさせ、Puromycinで細胞を選択し、次世代シークエンサーを用いて細胞内に残存するshRNAを同定することにより、Basal-like特異的に細胞障害性をもつshRNA候補の抽出を試みた。今回幾つかの候補が同定された。その候補の1つ、GPR124に対する抗体を用いて、乳癌194症例の免疫染色を行い、発現、細胞増殖、予後との関係を検討した。
GPR124のintrinsic subtypeでの発現率は、Luminal A 12(15/122)%、Luminal B 17(3/18)%、HER2 23(6/26)%、TNBC 46(13/28)%であった。Ki67 LIはGPR124陰性例に比べて陽性例で高値であり、乳癌の増殖にも関係していると考えられる。乳癌全症例でGPR124を低発現(0-,1+,2+)、高発現(3+)に分類してみると、GPR124高発現陽性例はoverall survival(OS)で予後不良であった(p<0.05)、Disease free survival (DFS)では予後不良の傾向がみられた(p=0.06)。
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