研究課題
乳癌の中で、Triple negative breast cancer (TNBC)はER,PgR HER2陰性のホルモ治療、分子標的治療耐性の乳癌である。Lenti PlexをBasal-like TNBC とnon-TNBCの細胞株に対して、Puromycinで細胞を選択し、次世代シークエンサーを用いて細胞内に残存するshRNAを同定することにより、Basal-like特異的に細胞障害性を持つ、shRNA候補の抽出を試みた。一方TNBC細胞株3株、non-TNBC細胞株3株を用いてTNBC高発現遺伝子をRNAシークエンス法で検索し、さらに公共データベースRefExを利用して正常組織で低発現である遺伝子をTNBC特異的高発現遺伝子として同定した。両方の方法で検索された遺伝子でから, Caspase 14 (CASP14)とCPA4 (Carboxypeptidase A4) に関して、臨床検体のtissue microarryを用いた免疫組織学的検討とCell limeを用いた抑制実験を行った。CASP14は主に癌細胞質、核内で発現し非癌乳腺組織、間質細胞では低発現であった。またCASP14高発現群はTNBC症例で有意に多く、高核異型度、ER陰性、EGFR高発現、Ki67 LI高値症例が有意に多く、ALDH1, CD44, CD24との相関がみられた。CASP14の癌の悪性度、癌幹細胞との関連が示唆された。CPA4はE-cadherin発現の低下、 CD44の上昇CD24の低下といった癌幹細胞マーカーと関与し、予後不良因子であった。 細胞培養の検討でCPA4の抑制が生存や運動抑制に関与し、E-cadherinの発言が上昇した。以上からCPA4は乳癌のEMT (epithelial mesenchymal transition)に関与し、TNBCの治療標的になることが示唆された。
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