IgG4関連硬化性胆管炎の組織からタンパクを抽出し,網羅的なプロテオーム解析ならびにリン酸化修飾解析を行った.対照として用いた原発性硬化性胆管炎と比較すると,IgG4関連硬化性胆管炎は特徴的なリン酸化修飾パターンを示した.パスウェイ解析では,B細胞や免疫グロブリンに関連したシグナルが有意に活性化していた.個別のタンパクでは,FYN-binding proteinやallograft inflammatory factor-1が有意に発現亢進し,主としてM2型マクロファージに発現していた.これらの分子の発現は他臓器のIgG4関連疾患でも見られ,臓器を問わずIgG4関連疾患に特徴的と考えられた.
|